雑記・アメリカ壊れる?

 夏までアメリカ「持つ」か?と思っていましたが、もう実際かなりヤバイんじゃないか。トランプは1期目と違い2期目は政府の実体(つまり官僚)にまで大鉈を振るっているので、関税はもちろん本当に危ない。
 今大学にも圧力をかけていますが、これは反移民・反エリート・反知性主義からなんですね。ハーバード大学は学問の自由を守ってきたアイコン的な存在で、太平洋戦争の時も、在籍していた日本人学生を政府から守っていたくらい、凄い自治が行き届いています。日本人・日系人は強制収容所にぶち込まれていた時代ですからね。卒業させるな、という政府の命令を無視し、ちゃんと卒業式で卒業証書をくれたという体験談を読んだことがあります。(ハーバードは連邦政府より古くからあり、彼らには政府など新参者なのです)   だから面従腹背でもいいから、最後まで抗ってほしい。

 また、自分はIT系のライターだったのでその方面の話をすると、ジョブス&ウォズがガレージでアップルを起業した時代から、既にシリコンバレーは移民のメッカでした。当時のルポを読むと中国系・インド系・アジア系の優秀なプログラマー&エンジニアがやたら出てきます。少なく見積もっても3割は非白人で、そうやって世界中から集まった優秀な若者がひしめきあって、そこからあのシリコンバレーのハイテク製品が生まれ発展していったのです。(成功して企業のCEOに収まった非白人もたくさんいる。またインテルで最初のCPUの設計チームに日本人がいます)
 もし移民・外国人というだけで追い出したら……シリコンバレーに限っても、たちまち落ちぶれてしまうでしょう。文字通り生き馬の目を抜く世界です。追い出された移民を受け入れる国が次の覇者になるのでは……(こういう状況は歴史の中で繰り返されてきました。近いところではユダヤ人というだけで学者を追い出したナチスドイツは破滅し、受け入れたアメリカは繁栄しました。なんという皮肉でしょうか)

 移民排斥の影響は、エッセンシャルワークの従事者不足だけではないわけです。
 この壮大な「喜(悲)劇」がどこに着地するかまだわかりませんが、僕ら属国日本の国民としては、アメリカ人自身がなんとか解決してくれるのを期待するしかありません(ただ共和党もトランプ騒動で弱体化してて、止める力はないって衝撃的な話もあります)。