「オールドソングス」ライナーノーツ
・カーペンターズに捧げた曲なので、万一関係者に聞かれても恥ずかしくない曲を、という気概で制作した。幸いリスナーの皆様からも好評で嬉しい限りです。
・歌のバックで鳴っているハープシコードかブラスのような不思議な音は、Moog Mother-32で作っている。今回はしっかりMIDIベロシティをシンセシスで使っているが、こういう鳴らし方はYoutubeの海外動画でもなかなかないと思う。もちろん多重録音。
・分厚いコーラスの音色はBehringer System100で作っている。深いリバーブを掛けて存在感を際立たせた。実は残響がないと結構味気ない音。プリミティブなシンセは音響まで考えないといけない。(この辺りはTOMITA作品からも学べる話)
・エレピがWurlitzerのパッチなのはもちろんリチャードへのリスペクト。試しにFender Rhodesもやってみたが、駄目ですね。どうしてもカーペンターズならWurlieでないと。
・他のシンセサウンドは、Roland FA-06です。やっぱりアナログシンセ主体の曲だと、ソフトシンセより実機がよく調和します。
・シンセドラムはSH-4dのもの。TR-8だと音がタイト過ぎた。
・マスタリングにはOzoneのVintage Limiterを使っています。今回Maximizerは音圧がウネウネ変わって気持ち悪かった。他のリミッターだと、Waves L2はWave色が出すぎ、Oxford Limiterはブリティッシュ色が強過ぎた。なんだかんだでOzoneは汎用的。
・ボーカルは、以前ACTiVATEの「1983」でもお願いしたシンガーソングライターのTomboさんに依頼。3年分の進化で、今回スタイリッシュな大人っぽさが加わってドンピシャでした。アウトロのファルセットは絶品。ここは巷の女性アイドル曲の最高音と同じです。