「セレナセレナーデ」ライナーノーツ
・“テクノラテン”というコンセプトを決めて作った曲(“ラテンテクノ”ではない。つまりラテン色が濃い)。ほとんどのパートをアナログシンセで演奏している。結果、音が太く異形の存在感、異世界感のあるサウンドが出た。サチュレーターの類は未使用です。
・ラテン楽団といえばブラスセクションなので、シンセブラスを大フィーチャーした。これもアナログシンセだがビッグバンドブラスをイメージしている。作り方はメインをMoog Mother32で、そこにベリのSystem100でデチューン気味に薄く2VCOを重ねている、つまり一音につき3VCO。それを二重に多重録音した。共鳴が深すぎてEQ処理は苦労した。
・ティンパレスとタンバリンはFA-06で、つまりサンプリング音源は未使用。
・ドラム類もアナログシンセで作っているが、クラッシュシンバルとアゴゴだけはTR-8。
・全体的に、アナログの味を活かしたソフトで弾力感のあるリズムセクションになっている。
・これだけだと単色系でちょっとつらいので、コード楽器はデジタルシンセで澄んだ音色を入れた。こちら方面はデジタルが得意なので適材適所。
・ボーカルは、ラテンなのでパンチのある歌い方ができるシンガーさんを捜して、「すみす」さんに依頼。結果、想定を大きく超える表現のトラックを頂いた。実はメロの高音部は少し音域的に苦しいのですが、地声と間違えるような強いファルセットで歌いきってくれています。不安定なのにトラックと合わせると正解。音楽はだから面白い。