アナログマスタリングと時の運

 今回マスタリングの話です。
 OZONEなどを使ったデジタルマスタリングならいつてもトータルリコールできますし、再現性も完璧ですが、アナログのアウトボードを使うと、このあたりはかなり怪しくなる。というか、はっきりいえば昨日と今日で結果が違う。(以前も書いたが、センターすらズレるんだから…)
 だから時の運というのもやっぱりある。運よくいい音、逆に悪運に見舞われてなぜかダメな日もあるわけです。それでもマスタリングにそんなに時間を掛けるわけにはいかないので(小レーベルでさえそう)、どこかで自分を納得させて完成させるしかない。明日もう一度やって、音が良くなるという保証はどこにもないので。例えばハイが足りないなら最悪デジタルEQで足す、とかね。(最近ないが…)
 1000年に一度の芸術品を作っているわけではないので、どこかで商品として線引きのようなものは必要になると思います。案外、あとで聞き返してみると、拘っていたところが全く気にならなかったりね。時間を掛けすぎるとタコツボに入ってしまうわけです。これはミキシングと同じ。

 それでもアウトボードでマスタリングするのは、自分が感覚では圧倒的に音が良いから。また、上に書いたようなことも「その時だけの音」という希少性につながる。
 多くの配信楽曲がデジタルのつるんとしたハンコ音質になっている中、今後はアナログを活かした歪感のある音が認められるようになるんじゃないかと思います。