在日米軍の意外な音楽への影響

 第二次大戦後、日本に米軍が進駐してきて、米兵(および関係者)の娯楽のためにいわゆる米軍クラブが作られ、そこに出演する形で戦後のポピュラー音楽界が立ち上がった、という話は知っていました。(当時は主にジャズだった)
 だから直接的に戦後日本の音楽を育てたのが米軍クラブ、という言い方もできると思いますが、実は米軍が音楽界に与えた影響はそれだけではなかったのですね。

 あるWebマガジンで読んだ話で、1970年代に東京には不要になった米軍関係者の日用品を捨て値で売っている街があったらしい。本国に帰るとなると全て売り飛ばしていきますからね。衣服やら家具やら雑貨、そして重要なことですが、レコードもダンボール箱で投売りされていた。
 当時の若者(米兵)が聞いていた音楽ですから、まあ宝の山だったのでしょう。今は大家となった音楽ライター氏はよくここで衣服やレコードを漁ったそうですが、そこでまだ有名でなかった大瀧詠一さんとよく出くわしたらしい。😃
 ドルが強かった時代なので輸入盤でもそれなりの価格になりますが、こうしてFENで掛かっていたような最新の音楽が超特価で入手できたとのこと。
(そういえばFENも音楽界に大きな影響を与えていますね)
 そこでアメカジの古着も安く入手できたのですから、こりゃ本当に米軍は文化的に大きな影響力があったのだなあと思いました。

 そういえば戦後の闇市として始まった秋葉原ですが、ラジオ街と呼ばれるようになった一因は、米軍払い下げの無線機や電化製品を扱っていたからですからね。それもあって世界有数の電器街へと発展していく。(今はもう面影ないが)

 60年代に洋楽カバーのリリースが多かった(英語歌唱も)のは、たぶん実際米軍クラブに出演していた方が多かったせいもありますね。
 洋楽の影響…というとすぐビートルズの名前が上がりますが、もっと根っこの部分で日本のポピュラー音楽界に影響したのは米軍といえそうです、良きにつけ悪しきにつけ。