FM音源とフォルテピアノ

 モーツァルトのことを調べていて、また面白いことが判明。モーツァルトの時代のピアノは、まだ初期のもので今とは全然違ったらしい。構造が単純で、音域が狭い、大きな音も出ない、そしてたぶんタッチにも微妙な反応をしない。フレームは木製でかなりチャチ、強く叩くと折れてしまうような感じだったとか。今のピアノはフレームが鋼鉄で、非常に複雑な機構を内蔵してますからね。

 名前はFORTEPIANO(フォルテピアノ)といい、Youtubeで検索すると復元プロジェクトで製造されたそのピアノと、モーツァルト曲の演奏動画もたくさん見つかります。

 今のグランドピアノなどとはかなり違う音。作曲された当時はこの音で鳴っていたというのは非常に興味深い。リリースが短く、パーカッシブな感じです。アップライトより短く、少し音程感にも揺れがあるかな?
 いまのピアノのように音が持続しないので、モーツァルトは早いパッセージを多用していたという説があるとか(音が途切れないよう)。

 さて、この音ですが。初期のFM音源のアコースティックピアノのパッチと非常に似ているのです。😀 自分はすぐ「え……あの音じゃないか」と思いました。知っている人は思い出して欲しいけど、あれはなんともいえない、普通のピアノとは方向の違う変な音でした。フォルテピアノだったのかと、2025年末にようやく腑に落ちた。
 たぶんヤマハの技術陣は、FM音源で普通のピアノの音をどうしても出せないので(当時の限界)、せめてフォルテピアノにしようと思ったんじゃないかと。
(ChatGptによると、実際にフォルテピアノを初めて聞くと、シンセみたいだという人もいるらしい)

 変なところで歴史がつながっているんだなあと、感心した次第。